ぽけどころ

ポケモンについて深く考える

6世代乱数のすゝめ

この記事は2020年10月に書かれたものですが、「Pokémon Past Generation Advent Calender 2019」の記事です。

 

 こいしです。近年VGC2016ルール(通称6世代GS)がごくごく一部の界隈でものすごく流行っていることをご存じでしょうか?あのグラゼルネやオーガレックなど豪華なパーティたちによる大怪獣バトルは見栄えが良く、またゲーム性もよいためまだまだ考察しがいのあることで有名な神ルールです。

そんなルールで行われたWCS2016の優勝パーティは当然のように理想個体でそろえられた神パーティ、特に大会限定配信であるがむしゃらライチュウ*1の臆病6Vには目を見張るものがあります。

優勝者が使用しているポケモンなのだから、当然がむしゃらライチュウを保持しているという事実だけで選択肢的にアドバンテージとなるはずです。

ということで、わたくしこいしちゃんが頑張って臆病6Vがむしゃらピカチュウの乱数調整を成功させたので、その報告を兼ねて近年の6世代乱数事情に触れながらちょっとした解説をします。

 ちなみにまるまる2週間かかりました。

目次

 

 6世代乱数の内情

 6世代乱数とは「ポケットモンスターXY」及び「ポケットモンスターORAS」を用いた乱数調整です。2017年に乱数調整が開拓されたものの、初期SEEDの検索に要するPCへの負荷、時間、情報の少なさなどの様々な要因(当人調べ)より、長い間6世代乱数は難しいものとして認知されていました。すでに最新世代は第七世代へと移行していたこともあり、6世代乱数による対戦環境の変化などはほとんどありませんでした。

 

2019年、海外の方で初期SEED特定に野性ポケモンではなく化石を復元する手法が考案されました。この方法は野生ポケモンのエンカウントのランダム性を無視でき、また捕獲の手間が省けるため革新的な手法として数少ない6世代乱数勢の間で話題になりました。

 

2020年、ぼんじり氏により初期SEEDの検索の効率化が行われ、初期SEEDの検索時間が大幅に短縮されました。これにより6世代乱数の効率が大幅に改善され、容易に理想個体を入手できるようになりました。

また、かけら氏及びぼんじり氏によりゲームを初期化した場合のTinyMTのSEED特定が可能となり、XY、ORAS共にID調整が可能になりました。

 

 6世代乱数のやり方

 6世代乱数のやり方についてはめらるば氏の記事に詳しく記載されています。

larvesta10.hatenablog.com 現在はぼんじり氏によって初期SEED計算ツールが公開されていますので、そちらを使用した方がよいと思います。またタイマーもCCTimerを使用した方がぶれが少なく、1時間程度の待機なら問題なく使用できると思います。

 

 がむしゃらピカチュウの乱数調整について

 基本的に上の記事の通りの流れで行いました。大きく異なる点が2点あります。

  • 初期SEED厳選
  • 現在SEEDの確認作業
 初期SEED厳選

 前述したように臆病6Vの個体が出るSEEDがそう簡単に存在するわけもないので、"待機時間が短い"、"目標個体の出るSEEDが連続しているかどうか"という2点に注目して初期SEEDを厳選しました。この作業は平均して1時間弱程度かかりました。

現在SEEDの確認作業

 どうやらゲーム内のSEEDは正確に60fpsで動いておらず、一般的に使用しているタイマーでは数十分待機でも大きなずれが生じます。ここで紹介しているCCTimerはカウントfpsをゲーム側に近似することでこの問題をある程度解決していますが、今回の乱数調整は短くても数時間は待機することになるので、やはりずれが生じてしまいます。毎回待機時間が同じなのであれば問題はないのですが、6世代乱数はその限りではないので途中で現在SEEDを確認することでその問題をある程度緩和する必要がありました

 現在SEED*2の確認は、全体の待機終了約10分前にもう一度化石を復元し、その能力値などから特定する手法を用いています。CCTimerを2つ用意し、1つには目標SEEDまでの消費数から36000を引いた値を入れ、タイマーが切れると同時に化石を復元し、2つ目のタイマーも動かす。その後以下のFを2つ目のタイマーに入力し設定しました。

目標SEED - 現在SEED + n*3 F

このタイマーが終わると同時に配達員からピカチュウを受け取り個体を確認。失敗していたらリセットです。

注意点

注意した点も挙げておきます。

  • 動きの固定化
  • 暇つぶし
動きの固定化

 動きの固定化というのは、すべての動作をある程度一定に保つことで不定消費を減らすという目的があります。例えば6世代乱数では画面遷移の時に消費が一定数発生しないという特徴があるため、能力値確認の際などにメニュー画面の移動の仕方を一定にしておく必要があります。また初期SEEDの特定も化石復元の時間を固定しておくことで、ふしぎなアメの節約も可能です。

暇つぶし

 長時間待機には暇つぶしが必要です。なので私がやっていた暇つぶしを紹介します。

デレステ

 音ゲーは時間管理がしやすいので、残り待機時間が1時間未満の時の暇つぶしとしては最適でした。ちなみに個人的にお勧めしたい曲は「銀のイルカと熱い風」、「Heart Voice」、「O-Ku-Ri-Mo-No Sunday!」 です。

②アニメ視聴

 こちらも時間管理がしやすいのでかなり有用でした。私のおすすめアニメは「プリパラ」、「アイドルタイムプリパラ」です。プリパラは好きぷり?

ポケモンGO

 待機時間が1時間以上かつ昼間の場合はお勧めです。健康で文化的な最低限度の生活を営むためにすべて国民が行わなければならない義務を行いましょう。

④寝る

 8時間以上の待機かつ深夜の場合は寝ることをお勧めします。健康的!!!

おわりに

 6世代乱数の発展背景に若干触れながら、簡単ではありますが長時間待機を要する6世代乱数への回答を記述してみました。皆さんもぜひやってみてください。ヘドロウェーブゲンガーやスクラップ危険予知イーブイ(inプレシャスボール)辺りが個人的にはお勧めです。

 これで私もWCS2016優勝者のWolfe氏と同じパーティを組むことができるようになったわけですが、仮に彼が改造をしていた場合、私は彼以上ということなのでそこのところどうぞよろしくお願いします。まさかね?

*1:配布されたのはピカチュウ。性別は受け取り時点で決定?でひらいしんで固定。性格はランダムで個体値は2V確定という闇。とてもじゃないが臆病6Vなんてそう易々と入手できるものではない

*2:ここでは便宜上現在SEEDとしていますが、6世代では動的消費を行っているため、特定したときには過去のSEEDになっています。この概念に合う命名案を募集しています。

*3:nには調整用の値を入力します。私は395でした